「エンディングノート」鑑賞

基本的に、安易に死を感動に結び付けようとするドキュメンタリーは大嫌いです。まあその場ではやっぱり泣いちゃうんだけど。でもね、死は決してそんなにドラマティックなものではなく、この世に生を受けた全ての存在に均等に訪れるものであって、それをあざとく他人に見せつけて涙を誘うってのは気に食わない。だからこの作品もそんな感じだったら、評価思い切り下げるつもりでした。
しかし、死を間近に悟ったこの主人公は、あくまでも客観的にそれを受け止めます。
そして残された時間で出来ることを自分の人生経験を基に淡々とこなしていこうとするのです。それは、彼がこの世に残していく家族たちへの計り知れない愛情の現れなのではないか。「段取り好きだから!」っていうのは彼の照れ隠しで。そう考えたらもう涙が止まらなくなっちゃうんだよねこれが。
終わりよければ全てよし。この言葉の通り砂田さんのような人生を送ることが、果たして今の自分にできるのだろうか。私達全てに必ずいつか訪れる死。来たるべきその時に向けて私も段取りしておかないとな、と。
そういう意味で、この映画は「死ぬまでに一度は観ておくべき作品」なのではないかな、と思います。
完成度の高い映画では決してないのですが、必ず観終わった後に、いつか必ず迎える「死」に対して襟を正して臨むことができる映像体験だと思います。