「戦後派お化け大会」鑑賞

1950年に作られた成瀬巳喜男監督『石中先生行状記』の続編。
石中先生とは原作者の石坂洋次郎が自分自身をモデルにした小説家先生のこと。いわば狂言回しだ。
本作の奇妙なタイトルは上演資金を稼ぐために、若者たちがお化け屋敷のアルバイトをすることから付けられたのだろう。
幾組かの若い男女の慎ましい恋愛模様が、のんびりと描かれる。
ほのぼの感が、とてもいい。
若者たちの一人に杉葉子がいた。いいなあ、杉葉子。
河村黎吉や清川玉枝といったベテラン俳優たちの出番も嬉しい。
江見渉という名で、若き日の江見俊太郎が学生役をしていた。この頃は純情そうな二枚目だ。
村祭りのシーンに出てくるエキストラの数に驚いてしまう。
かき氷を使った他愛のないギャグに大笑いしてしまった。
古い映画は、楽しい。
結局、村の騒動に巻き込まれた石中先生は純文学作品をあきらめた。
「純文学はやめて、滞在中の出来事を小説にするよ」
と、そばにいた世話人役の伊藤雄之助に語る。
「またまた、映画になりますなあ、ワハハハ・・・」と伊藤雄之助が高笑いをした。
この映画自体が入れ子になっていた。
石坂洋次郎原作の映画は『青い山脈』や『陽のあたる坂道』など、戦前から戦後にかけてなんと80本!!もあった。
ひょっとしたら、彼は日本映画にいちばん多く原作を提供した小説家ではなかろうか。
と、思ったら、石坂洋次郎を上回る207本の小説家がいたのだ。