「ぼくたちの家族」鑑賞

身重の浩介の妻の深雪(黒川芽以)は、生まれてくる子供も含めて自分達の生活が大事、しかも金銭管理がなっていない浩介の実家に対する不満もぶつけてくる。
(それでも、事情は理解してくれて、多少の協力は惜しまない態度は見せる)
兎に角、金の問題って人間性が強く出るよねえ。各種の人生相談でも、遺産とか借金で人間関係がガタガタになる場面をよく聞くもの。
俺もこれで人間関係を壊したのが2人いる(両方とも俺が貸した側だけど)。
石井裕也にしては平凡なホームドラマ。
それに命の大切さを付加しただけの作品かと思っていたら大間違いで、平凡な家庭が舞台ではあるが何気なさそうに見える市井の人々の心理を描いていて面白かった。
その中に、満床だからといって門前払いをする今の病院の風潮に対する皮肉も込められている。
幸いこの家族は“いい”先生に当たって、玲子も脳腫瘍ではなく悪性リンパ腫で、治療の余地があるという希望を持った終わり方にはなっているが。
最後の病室の場面で、玲子が深雪のお腹に向かって「おばあちゃんですよ」と言った場面では、思わずホロリとさせられた。
中華料理屋で買浩介が携帯を使う場面。他に客がいないにも拘らず、店の従業員は浩介に注意をしたことに対して、克明は玲子のことで苛立っていたせいもあり、「誰に迷惑をかけているというんだ」と怒鳴ってしまう。
この場面は父親に軍配を上げたい。